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アニメ「おそ松さん」を血を流しつつ視聴する

「おそ松さん」としんどい私と様々な次元の話

爽やかジャスティスがあまりにカリスマレジェンド。

 

 年の瀬が迫っております。皆様いかがお過ごしでしょうか。住んでいるところが風が強くてつらいです。そのほかは概ね元気にやっております。

 

 タイトルが雑なんですがいかんせんいろいろ言いたいことがあってどの順で喋ろうかを考えていたんですが、うーむどうしようかな…

 本題から行こう。今更松ステを見ました。

 松ステ、正式名称「おそ松さん on STAGE ~SIX MEN’S  SHOW TIME~」 ドコモさんありがとう…

 結論から言うとすっごい楽しかったです。すごいな…

 

 えっと、ここから先はネタバレ(そもそもバレるとアレというようなものもない気がするんですが)というか感想を含みますので、見ていない、バレたくないという方は急いでドコモさんのところへ行くかこのページを閉じるかしましょう。それから私は後述しますが役者さんとスタッフさんと業界に全く詳しくありません。その辺は生暖かい目でご覧下さい。

 

 

 

 細かいコメントとか言いたいこととかはもちろんいっぱいあるんですが(トト子ちゃんがあまりに本人だったとか)、それは別の場所でやるとして、とりあえずよくこういう形に落とし込んだなと。

 まず構成。起承転結すら微妙なサイズ感の小話を繰り返す、というスタイル。原作準拠っちゃあそうなんですが、あれを舞台でやるのって結構冒険だと思う……

 オリジナルの2時間or2部構成で1時間ぐらい持つ話の流れを作り上げることだって選択肢としてなかったわけじゃないと思う。でもそうしなかった。ニートが特に目的もなくだらだらとだべる話をやりきった。

 その展開とかぶん投げる感がですね、F6がいることで成り立ってるんですよ。これすごい発明だと思う。F6持ってきたことでテンポを保って、切り替えて、2時間やりきれるわけですよ。あれ舞台2個分を小刻みにやってるんだ。F6はF6で彼らは「すごい」「やばい」「存在がオチ」というテンプレ芸が持ち味なので、あれは小出しで見ないとたぶんしんどいと思う。あれがギリギリのバランスで、お芝居として成立する範囲かなぁと思いました。

 

で、前述しただらだらだべる話、というような内容の話。

 アニメの話をするんですが「おそ松さん」って「この声優陣とか乙女ゲームかよwww何昭和のマンガで女子釣ろうとしてんのwww」っていう声にドロップキックをかましてから内容としては取り立てて女子向けでも男子向けでもない話を延々とやったわけじゃないですか。予想されていた観客と、目標としていた観客と、実際来た観客っていうのがあるんですよ。

 で、じゃあ舞台はどうなんだって言うと、これもやっぱり「舞台化!2.5次元!」っていうとどうしてもまぁお客は女性ファンだろうなと。俳優ファン加えるにしても割合としては女性が多いだろうなと。で、じゃあ彼女らは何が見たいのか、そして何を見てきているのか、何を見られるだろうと期待してやってくるのかと、そういう話になる。

 お前が女性ファンを代表してんじゃねぇよって意見はもっともだしその上2クール「殺してくれ…」って言いながら見ていた自分は一般的ファンではないことを承知の上で言うんですが、松に女性ファンがついた要素のうち結構コアの部分に、「青年たちがわちゃわちゃと日々を送るところを眺めていたいという欲求」っていうのはあったと思うんです。最近話題のFF15(やってません)。だからここを外すとたぶんお客が見たいものとずれるんですよ。舞台にするとあのアニメの絵柄が消える声が消える、じゃあ残すべきところは何か、という話になる。

 というわけで舞台の六つ子たちはだらだらする。やってること基本的に釣り堀行って寝て起きて朝ごはん食べてだらだらして昼寝して(その間に夢でいろんなことがあったけど)飲みに行って寝る。これだけ。アニメでももっといろいろスペクタクらなかった??っていうレベル。トイレに行くだけのミクロの話で時間を使う。

 で、それでですよ、「おめーらこういうもんが見たいんだろwwww」という部分を全部F6に振った。世界を救った。スパイになって爆弾処理をした。銭湯で脱いだ。なんか幕末志士になった。アイドルとして歌い踊った。

 これ、その事実をギャグだと思いたい人は笑えばいいと思うし、そういうものが見たかった!という人はサービスとして楽しめばいいと思うんですよ。アニメ1話だとニートと同人格なので完全ギャグというかこっちを殴りに来てるんですが、今回のF6があまりにF6なのでそれなりに成立しちゃってる。気付かなかったよ、舞台ってお前らにぴったりの装置だったんだ…

 

 唐突に私事になります。先月あたりからかな、母親がジャニヲタになりました。

 これ結構私としては衝撃的かつめちゃくちゃ面白い出来事で、オタクという概念を齢50にして初めて手に入れた母、観察していてめちゃくちゃ興味深いです。母と話してそっか!って思ったのは「布教」っていう言葉を「推してるものを紹介する」っていう文脈で使うのってオタクローカルだったんですね…あまりに日頃使ってて気付かなかった…。あとは母がオタクという概念を手に入れたおかげで、自分がオタクであることがしんどい私はだいぶ楽に息ができるようになったというのはあります。ジャンルが違ってもオタク同士は何かをわかち合えるものです…。まぁそれはさておき、そのおかげで私、初めて本物のアイドルのライブDVDというのを見る機会に恵まれたんですよ。

 これだけアイドルアニメを見たことがありアイドルパロを目にし続け生きてきたのに、初めてきちんと見たモノホンのアイドル、めっちゃアイドルなんですよ(語彙力の墓場)。某5人組さんなんですけど、すごいのね、踊るし、歌うし、走り回るし、むちゃくちゃかっこいいし、すごい回数衣装変わるし、光るし、観客の数やばいし、なんかバスみたいなのとか走るし、上からロープみたいなので降りてくるし、でかいステージ装置乗って動くし。全部当たり前の人には当たり前だと思うんですが、案外知らない人は知らないもんなんですよ。すごいなアレ。一回見たことない人は機会があったら見てみると良いと思います……。パロ元を知るのは大事だ……。

 脱線ついでにぶっちゃけてしまうんですが、実を言うとここまで松ステチケット取らずに視聴せずに情報も集めずにきてしまったのは、やっぱりちょっと怖かったせいでした。だってーーーー!怖かったんだもんーーーーー!監督も脚本も絵柄も背景も声も次元も違う松を見るのーーーーー!というわけでスルーしてきたんですが、先日、友人に誘われて別のジャンルで2.5次元デビューをしてきたんですよ。ヘタミュなんですが、これがめっちゃ良くてですねーーーー。劇場ってすごい。脳に直接流し込まれる感じすごい。再現したり新しいもの作ったりする工夫がすごい。役者さんたちが頑張ってるのすごい。なんていうのかな、松ステもそうだったんですが、そのキャラそのものかって言ったらそうじゃないんだけど、役者さんそのものでもなくて、なんかこう、不思議なその期間その場所限定の生き物としてすごく愛おしいなっていう感じがありますね。というわけでだいぶハードルが下がりまして、今回の視聴に至りました。

 ついでに最近唐突に仮面ライダーにハマりまして、某プライムさん会員(なると仮面ライダーシリーズ見放題になる魔の兵器)になっていたのは松ステのためにDTV会員になるというソフト面でのハードルを下げてくれました。怖いじゃんああいうのに登録するの……(社会性の欠如)

 

 というわけで様々な方向性で2.5?3?あたりの次元への信頼感を得つつあったのもあり、松ステ大変に楽しめました。F6は英断、ということで締めちゃうみたいになっていますが、なんていうのかな、「舞台」という枠で楽しく、ピントの合った、最良のものを整えようと努力してくださった結果こういうふうになったかな、という感じなので超満足です。叶うことなら十月にタイムスリップして劇場の席であの冒頭のはなまるぴっぴを脳に直接流し込まれたい。関係者のみなさんありがとうございました。

 

 

お粗末様でした。